ランドセルの歴史

初期(しょき)のランドセルは、牛革(ぎゅうかわ)やコードバン材料(ざいりょう)のような素材(そざい)では作ら(つくら)れていませんでした。昭和時代(しょうわじだい)のランドセルは、とても高級(こうきゅう)な材料(ざいりょう)を使用(しよう)して、作る(つくる)ことはできませんでした。昭和(しょうわ)の初期(しょき)は、豚(ぶた)革(がわ)を使用(しよう)したランドセルが一般的(いっぱんてき)だったのです。その当時(とうじ)は、牛皮(ぎゅうひ)はかなり貴重品(きちょうひん)だったので、ランドセルの素材(そざい)としては使わ(つかわ)れませんでした。牛皮(ぎゅうひ)は、学童(がくどう)用(よう)のランドセルに使う(つかう)には、贅沢(ぜいたく)過ぎる(すぎる)素材(そざい)で、主に(おもに)靴(くつ)の材料(ざいりょう)として使用(しよう)されていました。戦後(せんご)は、物(もの)がない時代(じだい)だったため、サメの皮(かわ)を使用(しよう)していました。そして、現在(げんざい)のような箱型(はこがた)ランドセルの原型(げんけい)が作ら(つくら)れたようです。サメ皮(がわ)は、耐久性(たいきゅうせい)があるので、ランドセルの材料(ざいりょう)として十分(じゅうぶん)に役立ち(やくだち)ました。また、アザラシの皮(かわ)も耐久性(たいきゅうせい)に優れ(すぐれ)ていて、ランドセルの材料(ざいりょう)として使わ(つかわ)れたようです。現在(げんざい)のような箱(はこ)タイプのランドセルは、昭和(しょうわ)30年代(ねんだい)から普及(ふきゅう)し始め(しはじめ)ました。その当時(とうじ)のランドセルは、荷物(にもつ)を入れる(いれる)ことを目的(もくてき)として作ら(つくら)れていました。それは現在(げんざい)のランドセルの原型(げんけい)といえるものです。しかし、そのころのランドセルには仕切り(しきり)はありませんでした。ランドセルは、通学用(つうがくよう)のカバンとして進化(しんか)を続け(つづけ)てきました。内部(ないぶ)の仕切り(しきり)やポケットをつくって、教科書(きょうかしょ)や筆記用具(ひっきようぐ)などを個別(こべつ)に入れて(いれて)、整理(せいり)できるようになりました。一般(いっぱん)にランドセルが広まる(ひろまる)のは、昭和(しょうわ)40年(ねん)の後半(こうはん)からです。戦後(せんご)のベビーブームにより、ランドセルが普及(ふきゅう)したのです。その後(そのご)、新入学(しんにゅうがく)にランドセルを背負っ(せおっ)た子供(こども)さんの姿(すがた)が、日本(にっぽん)の風物詩(ふうぶつし)となりました。入学式(にゅうがくしき)と色鮮やか(いろあざやか)なランドセル、そして桜(さくら)がよく合い(あい)ますよね。

ランドセル

初期のランドセルは、牛革やコードバン材料のような素材では作られていませんでした。

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